HPV対談企画
HPV対談企画

男子にも女子にも関係するウイルス「HPV」。啓発キャンペーンにご出演された俳優の風間俊介さんと医師の岩田先生の対談企画を通して親御さんにもいま知っておいていただきたい知識をお伝えしていきます。

※ヒトパピローマウイルス

対談者

かざま しゅんすけ

かざま しゅんす

風間 俊介さん

1983年生まれ。ドラマ「3年B組金八先生」で注目を集め、俳優・タレント・声優として活動。福祉番組「ハートネットTVフクチッチ」MCなど、幅広い分野で活躍。

いわた さとし

いわた さとし

岩田 敏先生

1952年生まれ。慶應義塾大学医学部卒業後、小児科および感染症専門医となる。東京医科大学微生物学分野客員教授、熊本大学特任教授、予防接種推進専門協議会委員長を務める。

ありふれたウイルス「HPV」をもっと知ってほしい。

ありふれたウイルス「HPV」をもっと知ってほしい。

岩田先生

風間さんが高校の教師としてご出演されたHPVの啓発キャンペーン、子どもたちの自然な姿に、彼らの未来を見守る風間さんの優しい視線がとても印象的でした。

風間さん

ありがとうございます。実際の学校をお借りして撮影しました。学校っていうのは子どもたちにとって日常的な場所ですよね。だから自然にメッセージが伝わるんじゃないかって。日常的にご家庭だったり学校の中で話し合うきっかけになったらとてもいいなと思っていますので、よろしくお願いします。

岩田先生

よろしくお願いいたします。

風間さん

以前より、HPVについて基礎的な知識は持っているつもりでした。そのうえでさらに撮影に向けて理解を深めて臨むことができ、私自身、勉強になりました。

岩田先生

素晴らしいです。ところで、HPV、正式名称ヒトパピローマウイルスは「ありふれた」ウイルスといわれるくらい身近にいるんです。

風間さん

ありふれた?ですか?

岩田先生

HPVは日常生活の中で一般的に存在するウイルスで、主に性交渉を介して、粘膜や皮膚にある細胞に感染します。感染しても症状が出ないことが多いため、気付かないうちに男女問わず感染し、さらにほかの人に感染させる可能性があるんです。海外のデータでは、性交渉の経験がある男性なら91.3%、女性なら84.6%の人が一度は感染するともいわれています1)

風間さん

なるほど、だから親御さんも知識として早めにHPVのことを知っておいた方がいいということなんですね。

岩田先生

はい、そうなんです。

1) Chesson HW, et al. Sex Transm Dis. 2014; 41(11): 660-664.

性交渉をしたことがある人のHPV生涯感染率(米国)

男子にも女子にも関係するがんの原因になりうるHPV。

男子にも女子にも関係するがんの原因になりうるHPV。

風間さん

具体的にはどんな疾患をHPVは引き起こす可能性があるんですか?

岩田先生

女性の疾患ですと「子宮頸がん」が一番よく知られていますね。

風間さん

そうですよね、なので女性に関係するイメージが強いですが、今回のキャンペーンでは男子にも関係があるんだよってメッセージしています。

岩田先生

はい。HPVは、女性も男性もかかる疾患では、尖圭コンジローマや肛門がんなどの原因になりうるといわれています。

風間さん

それぞれ発症するとどんな負担がある疾患なんですか?

岩田先生

尖圭コンジローマは、性器や肛門周辺に「鶏冠状またはカリフラワー状」のようなイボができる疾患なんです2)。主に性行為で感染し、初期は無症状ですが、違和感や掻痒感、疼痛を伴い放置すると大きくなることがあります。どの年齢層でも認められますが、日本では男女ともに20代の報告が最も多いです3)。2015年のデータから、1年間に新たに尖圭コンジローマと診断された患者数の推計は7.76万人(男性:4.55万人 女性:3.21万人)というデータもあり、男女共に関係する疾患です4)

風間さん

なるほど。軽視できない疾患ですね。肛門がんについてはどうですか?

岩田先生

日本で年間約1000人が新たに診断されているがんです5)。症状は排便時の違和感、肛門の腫脹、痛み、血便ですが、約2割の方は無症状なんです6)。症状が痔と似ているので診断が遅れることもあります。外科的切除が必要な場合は、人工肛門が必要になることもあります。

風間さん

日常生活の質、クオリティオブライフに関わるがんですね……。

2) 一般社団法人 日本性感染症学会 編集. 性感染症 診断・治療ガイドライン2026 診断と治療社.
3) 厚生労働省 性感染症報告数 年齢(5歳階級)別にみた性感染症(STD)報告数の年次推移 尖圭コンジローマ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/houkokusuu.html(2026年1月閲覧)
4) Kawado M, et al. BMC Infect Dis. 2020; 20(1): 77.
5) The International Agency for Research on Cancer (IARC) CANCER: CANCER TODAY
https://gco.iarc.fr/today/en(2026年1月閲覧)
6) 国立がん研究センター希少がんセンター:肛門がん(こうもんがん) 肛門管扁平上皮がん(こうもんかんへんぺいじょうひがん)
https://www.ncc.go.jp/jp/rcc/about/Anal_cancer/index.html(2026年1月閲覧)

みんなで知ろう、予防と早期発見。

みんなで知ろう、予防と早期発見。

風間さん

HPVによる疾患に関しては理解が深まってきました。がんといえば、検診が大事だと思います。何か気を付けることはありますか?

岩田先生

子宮頸がんはワクチン接種と定期的な検診で予防できる可能性がある疾患です。HPVワクチンは2009年10月に日本で承認されています7)。世界保健機関(WHO)が接種を推奨しており8)、2026年1月8日時点では、WHO加盟国194か国のうち159か国で公的な予防接種が行われています9)

風間さん

定期的な検診についてはいかがでしょうか?

岩田先生

子宮頸がんは初期症状がほとんどないといわれていますので、定期検診で見つかることも多いんです。早期発見をすることが、命を守ることにつながります。対象年齢である20歳代になったらがん検診を定期的に受診することが推奨されています10)

風間さん

自分の健康を守る観点から、親御さんと一緒にご本人も知識を高めていくことが非常に重要ですね。みんなの未来の話ということで、家族で話し合えればきっといいのかな、と個人的には思います。あとは先生のような専門家のお医者さんと相談することも大事ですね。

岩田先生

はい、私たちも学会等の活動を通じて客観的で科学的な情報提供を行っていきたいと考えています。厚生労働省のサイトでは子宮頸がん予防についても情報提供されていますので、チェックしていただくのもいいですね。

風間さん

なるほど、日本でも引き続きHPVについて、知ること、考えること、みんなで広げていけるといいですね。

7) Yu Y, et al. Cancers (Basel). 2021; 13(19): 4784.
8) Human papillomavirus vaccines: WHO position paper,December 2022 https://www.who.int/publications/i/item/who-wer9750-645-672(2026年1月閲覧)
9) Immunization, Vaccines and Biologicals
https://www.who.int/teams/immunization-vaccines-and-biologicals/diseases/human-papillomavirus-vaccines-(HPV)/hpv-clearing-house/hpv-dashboard(2026年1月閲覧)
10) がん検診|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000059490.html(2026年1月閲覧)